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外骨格の目〜〜伝統小芥子は電灯を消し〜〜

  • C-28 (小説|エンタメ・大衆小説)→配置図(eventmesh)
  • がいこっかくのめ でんとうこけしはでんとうをけし
  • 郁菱 万
  • 書籍|新書判
  • 216ページ
  • 0円
  • 2017/05/07(日)発行
  • ==コケシと死神とダメ作家。混ぜたら次元が歪みました==

     コケシ職人の父が死んだ。跡を継がざるを得ない青年は、長年敬遠していたコケシ作りに手を染める。
     孤独な成仏案内人「ミヨ」は、幽霊たちを成仏させるべく彼らにある条件を突きつける。
     戦力外通告を受けた元作家は再起不能になり、ひきこもる。
     一般文芸、ライトノベル、純文学。小説、漫画、演劇。一次元、二次元、三次元。三者三様の物語がねじれながら一つに繋がる。
    錯綜×各層×幻想記(ミックス・ファンタジィノベル)。



    まえがき。
    小説の神さまが降ってくるってぇ言い回しがあるだろい? ありゃ嘘だぜ。ペテンもいいところだぜ、みんなそろそろ目を覚ませ。神さまなんていないよ、なんて常識、そこらの道路にしゃがみこんで、ひからびたミミズをちっこいゆびでつついているガキどもだって知ってるが、なぜだかときおり小耳に挟むフレーズだとは思わないかい。小説の神さまだぁ? んなもんいるならその座から引きずり落として、なしてあだすのこと救ってくださらんかったんやー、っつってずーずー弁なのか関西弁なのかの区別もあいまいなままでまくしたててやる。したら神さまこう言うの。「すくってやったじゃろ。足を」うわー、つまんねーこと言ってんじゃねー、っつっていくひし、神さまの頬を右手でパンってしたね。したら神さま、にっこりしたあとでもういっぽうの頬をさしだすわけ。だからいくひし、もっかい、パンってしたね。すると神さまにっこりして、こんどはひたいをさしだすわけ。だからいくひし、いまいずみくーん、っつってどこぞの古畑任三郎っっぽくおでこをペシリしてあげたわけ。したら神さん、そのしゅんかん、ものっそい形相をして、顔面青筋だらけってか、血管浮きだしのモロだしで、もはや赤鬼なんじゃないのって顔つきで、「ほとけの顔もさんどまでー」っつって、いや、あんた神さん! 仏じゃなくって神さん! ツッコミいれるまでもなく、いくひしの足元がぱっかーん、っつって割れて、もうほんとどこの桃太郎ですかっつーくらいに、ぱっかーんって割れて、まあぱっかーんって言ってたの神さまなんだけど、意外とおちゃめなことしながら、いくひしの足元をぱっかーんして、で、気づいたらいくひし、正真正銘、足を掬われたっていうか、足場を消されて地獄に堕ちたって言うとすこし大袈裟な物言いで、じっさいには人生のどん底って場所に今はいる。しってる? じんせいのどんぞこ。もう、どこかしらか、どんぼこ、どんぼこ、なんの祭りかはしらんけど、囃子太鼓の音が聞こえくるわけ。こわいじゃん? ちょっとといわずしてこわいじゃん? せめて戦場のメリークリスマスくらい流れてほしかったなぁ、とぅるりるりー、つって、あ、ごめねんね音痴で。伝わった? とぅるりるりー、つってもし欲を言って怒られないなら、宇多田ヒカルver,でおねがいしたい。どう? 融通きく? まあ問うてみても、周囲にゃひと気なんて皆無だし、まいまいかぶりじみた虫、にごさずに言やーゴキブリの歩行者天国だし、猫かぶりはいくひしの専売特許だしつって、あ、千倍じゃないんだ、千倍の特許ってなんかすごい気がしてたんだけど、なんだよー、かんちがいかよーっつって、ちょっとした発見をしつつ、いくひし、ついにじんせいのどん底から這いあがる道をみつけたの。道っていうか扉。ちょっとなにこれー。見つけたはいいけど、押しても引いてもびくともしないんだけどー。なんでじゃろ、って思うじゃん? 思っちゃうじゃん? いくひし、こにゃろめ、っつって蹴りあげたら、その扉、ぐいーん、っつってうえにカラカラ持ちあがるわけ。んだよ上にどかすのかよ、まぎらわしいんだよ。いくひし、頭上にあがったまま下りる気配のいっこうにみせない戸にケチつけながらゆうゆうと扉をまたいだね。うん。まあ足元を確認しなかったいくひしがわるい。反省してる。というか後悔してる。だってね。床がね。ないのね。階段とかでたまにあるじゃん? もう終着地点かなーっつって踏みこんだらまださきがありましたーっつって、がくん、てなる現象。あるじゃん? あれの千倍くらいものっそいガックンっていうか、ガッってきたあと延々「ックン」がこないわけ。シブがき隊のもっくんだって未だにクン付けされてるのに、その「ックン」の粘着力すこしわけてよ、って、もっくんってしってる? 伊右衛門のCMにでてるひとね。まあいくひし、落ちるわ、落ちるわ、あれ、いくひしのいた場所ってじんせいのどん底でしょ、まださきがあったのね、どん底のどん底があったのねっつって、どんぼこ、どんぼこ、遠ざかる囃子太鼓をどこか名残惜しく耳にしながら落ちてった。延々とやってこない「ックン」にしびれを切らして、いっそこっちから迎えにいったろか、くらいの勢いで。で、いくらなんでもドッカーンっつってどん底のどん底に到着するでしょそろそろっつって、まあ身構えるわけですよ。いちどじんせいのどん底にいましたからね。どん底にぶつかろうがなんだかんだで死なないってのは経験上、確信しとるわけですからそこはじんせいのどん底マスターとしては余裕ぶってられるわけですよ。こないよね。なかなか底が見えてこない。待てども待てどもやってこない。人身事故でもあったのかなぁっつって、遅れてるなーっつって、おくりびとだってもうすこし手際よく送ってくれたよーっつって、まあその行先はあの世なわけですが、そうこう考えを巡らせてるあいだも落ちる、落ちる。ロンドン橋だってもっと一気に落ちてくれたよーっつって、これってもはや宙に浮いてるんじゃみゃーのっつって、まあこうなったら、いつかはやってくるどん底のどん底まで、せっかく得た時間を有効活用しましょうかってことになって、いくひし、行き詰まってた小説のつづきをかんがえだしたわけ。時間だけはたんまりあるわけで、思いつくは、つくは、その数ざっといくせんまん。もはやいくひし、小説の神さま名乗れるんじゃねっつって、名乗るだけならタダじゃねっつって、座禅組んで、ゆびで丸つくって忍者さながらの印を結んでみましたってだからそれはホトケだろっっつって、セルフつっこみしてみたら、ストンって、ほんと間抜けなほどかるい音が、ストンってしたのね。見ると、いくひし、見たことあるあたまのうえに乗ってるわけ。あたまっていうか、巨人のうえっていうか、なんか周りも見たことある景色っていうか懐かしいっていうか、ここってあれじゃね、いくひしの部屋じゃねっつって、じゃあ下のこやつはもしやと思って、そいつの脳内にえいやって飛びこぶじゃん? するとなぜだかいくひし、もといた自室で頭抱えてて、急にはっとして、えいやってして、根詰まってた物語のつづきがスラスラ進むわけ。あ、これ昨日の夢でみたやつだってくらいスラスラ。まあ、考えてもみれば、じんせいのどん底なんてむしろ行こうと思っていける場所じゃないし、そこからさらに下へ落ちちゃえるってんなら、いっそのことそここそ天界なんじゃねーのけっつって、展開を司る神さまのおわす場所じゃねーのけっつって、まあ、小説の神さまってのも案外と泥臭い闇のなか、それこそ人生のどん底を住処としているんじゃみゃーのかなーなんて、願望まじりに思うきょうこのごろでありますなー。物語っつー海に潜って、潜って、さらに潜って、一周して天から降ってきちゃうようなやからにしか、小説の神さまは降ってこない。降ってこないっつーか、やつはただ落ちてるだけなわけなのだけれども、だいじょうぶ? これちゃんとオチてる? どっかそれっぽいところに着地してる? まあ無理やりにでもこれを以って今回のオチとしましょうか。そういうわけで、本作「外骨格の目~~伝統小芥子は電灯を消し~~」、小説の神さまは出てこないけれども無関係とも言いがたい、創作にまつわるあれやこれやから、何かを生みだすことの意味、或いは何かを変わらずにつづける意地、それとも自身の存在意義から世界のなりたち、その仕組みまで、ここにはおよそ小説と呼ばれるものとはかけ離れた、しかし根源とも呼べる何か、それとも重要ではない何か、新しいものから古いものまで、古いものから新しいものへとつづく道のようなものが描かれているのではないか、描かれていたらいいなぁ、とそういう思いで今、いくひしは今年の蚊はなんか痛い、なんで同じ場所ばっか刺すの、なにかしら知能のようなものを感じさせる蚊の生態に興味をそそぎつつ、頭のうえでぷーん、ぷーん、嫌な音を、いっそいやらしく感じないでもない羽音をまきちらすこやつらが小説の神さまである可能性を否定しきれぬままに、手でぱっしーんしてしまう不届き者、いくひしまんでした。おしまい。

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