こちらのアイテムは2017/5/7(日)開催・第二十四回文学フリマ東京にて入手できます。
くわしくは第二十四回文学フリマ東京公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

局部怪奇譚〜〜人造乙女は心臓を止め〜

  • C-28 (小説|エンタメ・大衆小説)→配置図(eventmesh)
  • きょくぶかいきたん じんぞうおとめはしんぞうをとめ
  • 郁菱万
  • 書籍|新書判
  • 224ページ
  • 0円
  • 2017/05/07(日)発行
  • レビュー:「★☆☆☆☆」

    姉から留守番ついでの子守りを頼まれ、暇になったらこれでも読んで、と手渡されたのがこの本でした。ちょうど姉の娘、一歳になったばかりの姪が寝つき、暇になったのと、前評判がよかったのとで、ワクワクしながら手にとったのですが、まず引っかかったのがそのタイトルです。局部怪奇譚ってなに? いきなり下ネタって、と若干の不安を覚えながら、サブタイトルを見てさらにげんなり――人造乙女って男のひとたちが己が欲望を思う存分ぶちまけるためのアレでしょ。百歩譲ってそれはよいとして標章登録に問題はないのかと小一時間問い詰めたい気分に蓋をしつつ、ようやく本文に目を落としました。「手を拾った。人形の手だ」からはじまる本文は、なるほど、導入としてはまずまずと言っていいでしょう。ですがその後につづく長々とした「拾った手」との共同生活は現実味がなく、漫画のようで、「拾った手」を妖精に置き換えても成立するフワフワ感はどこか夢見がちな少女漫画を彷彿とさせます。少女漫画とちがうのは、どこを読んでもその根底に性欲じみた淀みが漂って感じられる点で、読んでいてただひたすらに苦痛でした。冴えない青年の書いた孤独を紛らわすための日記を延々読まされているようで、こんなものははっきり言って読書とは言えません。中盤、ようやく話が動き出したかと思えば、本筋とは関係のない要素がバンバン挟みこまれ、レストランのゴミ箱に顔を突っ込まれたような戸惑いばかりが終始つきまといます。最後はなんだかわからないうちに主人公が真実の愛に目覚めるあたり、読者を置いてきぼりにするにもほどがあると、怒りで我を忘れそうでした。何かに八つ当たりしなければならないほどの、それは怒りで、気づくと物置小屋から幼いころに遊んでいたドールハウスを持ちだし、そこに仕舞ってあった人形を八つ裂きにし、なんとか怒りを鎮めようとしていたほどで――バラバラになった人形からは四肢が飛び散り、ゆかに散らばったそれらの中から、小さな手を拾いあげ、なぜだかわからないがそうしなければならない衝動に駆られ、それを口の中に放りこむと、そのちいさな手は黙ってグニグニと咀嚼されればよいものを、バリバリとかんたんに砕け散り、怒りをやわらげてくれるどころの騒ぎではありませんでした。このままではいけないと思い、なにか代わりはないかと家のなかを見回すと、おとといからちょうど遊びに来ていた姉家族の荷物が目に留まり、ついで、いつ目覚めたのか、一歳になったばかりの姪の無邪気な鳴き声が、あーうぁーきゃっきゃ、と襖の向こうから聞こえてくるのでした。やわらかいぷっくりとしたコッペパンじみたそのちいさな手を思い描きながら、読んでいた本、「局部怪奇譚~~人造乙女は心臓を止め~~」を丁寧にゴミ箱へと投げ捨て、ついでにハサミを手にし、鳴き声のする部屋へと、一歩、二歩、と歩を進めるのです。



    ――手を拾った。人形の一部だと判るちいさな手だ。丸めればペットボトルの蓋に詰めこめるほどの大きさで、弾力に富んでおり、赤子の手もこんなだろうかと想像する――

    ==悪意をよびさませ==



ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じ出店者のアイテムもどうぞ

万妖衆〜血編〜局部怪奇譚〜〜人造乙女は心臓を止め〜暗黒舞踏団〜〜踊り屋たちの囮か愛〜〜網膜の住人〜〜仮想世界に魔法をねがい〜〜外骨格の目〜〜伝統小芥子は電灯を消し〜〜私は性器が好きなだけ〜〜人工名器に凛と銘じ〜〜異世界の蛇口〜〜神殺し魔起き〜〜改悪∞異類婚姻譚改悪∞今昔物語改悪∞日本昔話群れなさぬ蟻群れなさぬ蟻〜〜前日譚〜〜ぼくの内部をじかになぞって。

「気になる!」集計データをもとに表示しています。