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万妖衆〜血編〜

  • C-28 (小説|エンタメ・大衆小説)→配置図(eventmesh)
  • まんようしゅう ちへん
  • 木舞師 三名
  • 書籍|新書判
  • 168ページ
  • 0円
  • 2017/05/07(日)発行
  • 【新型人工血液譚――血と義と花のモノガタリ】

    まえがき。
    ねえ、一年って365日なんだって。知ってた? 一日が365回もあるってことだよ、一年すげぇな。すげぇ豪勢じゃん。「あのー、いちにちを一年でくださーい」つって365個入りの一日をご購入したくなるくらいの盛りだくさん具合、あるよね。お土産とかにもらっちゃったらうれしい反面、ちょっと手に余る感じある。一年、長いよ、ホント、まじで、ながかったぁ……。いやいや、もうなんか、長いってかあっという間だった。何もしてなさすぎて。チマチマ進めてきた新作、ようやくひとつ終わったよ。その名も「血」――ひねりなさすぎてどうかしちゃったよ、タイトルひねる余力もなくなっちゃったよ、燃え尽きたよ、真っ白だよ、灰色だよ、どっちだよ、もういっそあいだを取って白銀にでもしちゃっていいかなぁー?くらいの一面雪景色だよ。いっさいが白紙。なにもない。まばゆいまでの虚無。なんか血って感じしない? 血は赤いけれど、でもなぜだか虚無を連想する。黒よりも虚無って感じする、なんでじゃろ? 母体のなかを思いだすからかなぁなんて、物思いにふけりながら、おいらにも赤ちゃんのころがあったのかぁ、そりゃあるわなぁ、うそみてぇ――みたいなね。何かが生まれてくる前はつねに赤いなにかにくるまれて、満たされて、沈んでいるのかなぁ、なんて思わないわけではない。あらゆる事象は赤い色から生まれてきて、そして赤い色に沈んでいく。絶望だってきっと赤いよ、断言するよ、血の色してる。海辺で夕陽を眺めて感傷にひたる青春やろうどもにゃわからんだろうけれども、人生、積み重ねてきた努力が一夜にして無に帰して、ほんといっさいがっさいが手の内からこぼれおちていく絶望は、みなが思うよりもじつはずっと清々しい。なんでもない日差しの、なんでもない交差点の、うすぎたないトラックの排気ガスが妙にキラキラ輝いて見えちゃったりする。血の色なんて皆無なそのキラキラの裏側には、かつてないほどの赤い赤いなにかが色濃く忍び寄っている。暗い話なんかじゃないよ。さきにも言ったろ? あらゆるものごとは、赤く沈んだところから生まれてくるんだって。絶望に沈んでから生まれてくる何かは、ある。何度でだって言ってやる。あるんだよ。血。新作のタイトルだけど、ホラーじゃないし、ミステリィでも、サスペンスでも、SFでも、ファンタジィでも、現代ドラマでもない。ラブストーリィ? 愛をラブと呼ぶならそうと認めてやってもいいが、恋をラブと呼ぶならこっちから願いさげだばかやろー。ちょいとわるぶってみたくなったのは、そりゃ血が騒ぐからにほかならず、空焚きしちゃったくらいに血が沸き立つのだから仕方がない。不死身の男は憂鬱に生き、命の恩人を殺したい男は女を追い、血を売る女は少女と出会い、彼女たちは運と命をなげうっていく。作為(神)を蹴散らせ、悪意(期待)を黙らせ、筋書き(運命)なんて切り刻め。虚構でだって人は自由に生きられる。縛られるくらいなら縛りつけろ。それでも世界は強大だ。抗う彼女たちに抗った、木舞師三名の最新作。血。気軽にご輸血ねがいたい。


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