刀は、人間という装置をとおさなければ、殺戮の舞台に立てない。
たとえその刀身が、血肉を命を屠ることを目的として打たれたとしても、だ。
「兼さん、こんなからだを手に入れなければよかったのにね。
そうしたら、ぼくが使ったのに。
ぼくがちゃんと、兼さんをかっこよくて強い刀のままでいさせてあげられたのに。
――ぼくは兼さんを裏切らないよ。あのひとみたいに、力足らずに死んだりしない。
だってぼくは兼さんとおなじ刀だもの。ぼくの存在理由は殺すことだもの。
ぼくは兼さんが作られた意味そのものを全うできる。――できるのはぼくだけだったのに」
刀剣乱舞二次創作。堀川国広×和泉守兼定
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