こちらのアイテムは2026/7/20(月)開催・文学フリマ札幌11にて入手できます。
くわしくは文学フリマ札幌11公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

春夏秋冬 hiri hiri last story

  • D-07〜08 (小説|BL)
  • しゅんかしゅうとう ひりひり らすとすとーりー
  • 久納一湖
  • 166ページ
  • 1,000円
  • https://team-hattari.jimdosit…
  • 2026/6/16(火)発行
  • 新刊

    予期せぬ一目ぼれから始まる『摂動』

    互いを思いやる二人の友情ラブフォーエバー『hoka hoka』

    札幌BL三部作 社会人編【全員ハピエンを見守る】完結!!

    『摂動』ぶつけたい男 ぶつけられたい男
    気だるいボーカル秋人と、遊び人リーマン春彦の話。
    「男が男を好きになるなんて、ありえねぇ」 女好きの春彦が恋に落ちたのは、後輩の幼馴染だった。 秋人の魅力にひとりで翻弄される春彦は、自分の気持ちに向き合おうとしない。
     ・「男なんて好きになるわけない」って言ってるくせにどうせ落ちるんでしょ、わかります。 っていうのが好きな方はぜひ。
     ・31歳係長、後輩の幼馴染に、まさかの一目惚れ。

     『hoka hoka』 癒したい男 いやされたい男
    明るく元気な夏焼くんと、しっとり冬川くんの話
    「一緒に住もうよ」 病めるときも健やかなるときも一緒って、約束した。 支え合って助け合って、俺たちらしく過ごして行こう。
     ・「2人の幸せな行く末を見届けたい」、「純粋な心を浴びて癒されたい」という方はぜひ。
     ・友情ラブで思いやりがあって、支え合ってる関係性が好きでしたらこちらを。

    全員ハピエンの最終巻です。 札幌のどこかにいる4人に愛をこめて。 
     札幌青春BL、春夏秋冬4人揃ってついに完結!

    「札幌BL三部作 完結!好きな人と思い合えたり、しんどい片思いをしたり、予想外の恋をしたけど、四人は札幌で幸せに過ごしているのです。 」

    そして今回もいろんな場所が出てきます。
    円山公園、パルコ、サッポロファクトリー、定山渓温泉など。
    小説に出てくる場所を写真つきで紹介したnoteがあります。 合わせてお楽しみください。(ネタバレなし)
    https://note.com/clean_plover491/n/na37d825ce19a


    『摂動』 冒頭抜粋

     ベッドの中で呼んだのは、抱いてる女じゃなくてセフレの名前だった。  朝起きたら紀子はもういなくて、隣のシーツは冷たくなっていた。寝返りをうった。紀子の髪の匂いが残った枕に顔を埋めると、気分が萎えてくる。夜の事を思い出した。仕事終わりに円山の家に帰って、あるもので適当にイタリアン作って、飯食ってイチャついて。風呂に入ってベッドに転がる。いつもの流れだ。なんとなく身体を触り始めて、紀子が濡れてきたらセックスする。

     最近は脱マンネリ化のために、やる前に酒飲んで気分を上げるようになってたから、昨日もそれなりに気持ちが良かった。酒臭くなるからと、紀子は嫌がった。だから触りながらあいつが悦ぶ言葉を言って褒めて機嫌をとるようになっていた。爪の色を変えたことに気づいてやると、いつも嬉しそうにしていたし、肌がキレイだと言うと、「あたしに触りたい?」と言ってきて、ある程度の主導権を譲ってくれる。身体の相性はまぁまぁだったけど、ぶっちゃけ俺としては、最後までいければよかった。出してスッキリして、寝て終わり。


    中略


     紀子はいい女だった。愛嬌があって気も使えて、仕事もできる。俺が大学の時、石狩海岸でナンパしたのが紀子だった。高校の時は雅が丘高に通ってて、「ガオカの女」と呼ばれるハイブランド女子として有名だったらしい。海の家からお持ち帰りして、ベッドインした夜に自慢されたことを思い出した。俺を気に入ったのか、紀子から「付き合ってあげる」と言われて関係が始まった。

     そこから付き合ったり別れたりを繰り返して、長年一緒にいたから油断したのか、うっかり行為中にセフレの名前を呼んだ。もっと夢中になりたくて、ついセフレの身体を思い出しながら動いてたんだ(紀子じゃものたりねーんだ)。それを聞いた時の紀子の顔ときたら。虫ケラを見るような目つきだった。自分で作った姫的な雰囲気に酔っていた紀子は態度を一変させ、俺をこき下ろした。ごめんと言っても意味はなく、怒ってパンツ履いてシャワーも浴びずに帰っていった。帰宅時間を見計らって電話したけど、留守電になるだけで、応答は無かった。今回ばかりは愛想を尽かされたみたいだ。

     最近は会っても会話が少なかったし、もう、いいかな、と俺も思ってた。その二日後だった。仕事帰りに、すすきのサブロク線を資生館方面に向かって歩いていたら、向かいから紀子が歩いてきた。軽く声でもかけようかと思ったが、俺に気づいていない。紀子は笑顔だったが、もちろん俺に向けられたものではなかった。視線の先には、路肩に停まったベンツがあった。見るからに高級クラスだった。俺もカタログで見てたから覚えてる。ちょっと手が届かない価格帯のやつ。すると驚いたことに、紀子はその車に合図し、乗車すると、中の男に腕を回してキスして笑っていた。車はエンジン音をふかしながら、夜のすすきのに消えていった。

     マジかよ。  二日で新しい彼氏ってことはねぇだろう。つまり、紀子にとっても俺は遊びだったってわけだ。俺も車出して散々いろんなとこに連れて行ってやったり、喜ばせてやったのによ。気づかず素通りするわけだ。ふざけんなよ。  俺はイラついて、その足で行きつけのキャバクラに向かった。今日はセフレが出勤してるはずだから、軽く飲んで家にあげてもらう。ヤりまくんねぇと気が済まない。  こんなこと言ってるから、誤解されるかもしんねぇけど、俺は本能の赴くまま生きてるだけだよ。悪いことなんかひとつもしてない。

     芝居じみたママゴト彼女とか、クソつまんねぇ上司の朝礼とか、生ぬるい毎日に嫌気がさしてんだ。仕事帰りのジム通いと、セフレと思う存分ヤってる時が、一番スカっとすんだよ。ほら、どっちも運動だろ。男に必要なのは、まず、体力と筋肉だ。

     俺は、男らしく本気で誰かとぶつかり合いたい。受け止めたい。それができる人を探してる。それだけなんだよ。
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    この作品はフィクションです。実在の人物や団体とは一切関係ありません。
    作:久納一湖、イラスト:ハルサカ様

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