「これは?」
「お玉です!」
それはわかる。しかし、今なぜここでお玉なのか。(本文より)
啓示を受けたように思いついた「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する」という言葉を、意味もわからぬままに実践しようと試みるエッセイシリーズ完結。
コロナ渦中の町を歩き、近所で見かけた看板の言葉をきっかけに本当の言葉探しをはじめた「私」は、弘法大師と高野山から、『オズの魔法使い』、松任谷由実のドキュメンタリー番組、『西遊記』など、何かを求める旅の物語に思いを馳せるうちに、半導体エンジニアの職へと導かれた出会いの記憶へと至って……。訪ねた土地で過去の出来事や読んだ小説の断片の記憶を芋づる式に蘇らせていく至福をユーモアを交えて綴る。思いもよらない場所へとたどり着く驚きの結末。
全4章、約5万字の文章と18枚のカラー写真、画家・いちろうの挿画で構成。
◉目次
第1章 半径1km圏内の言葉
第2章 弘法大師のご利益か
第3章 繰り返しの効能
第4章 先人は遅れてくる
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