【装丁総選挙 ノミネート作品】
【ティアズマガジン116 P&R作品】
★アジア ★ファンタジー ★世界観重視 ★特装版 ★長め
「雨の匂い、石の祈り」は、2007年から2010年にかけて刊行した熱帯ファンタジ三部作を文庫化したものです。1作目「神様には名前がない」は、強い海風を受ける岬の寺院で修行に励む見習い僧の少年と、風変わりな師匠との問答を中心にした物語を。2作目「王女には夢がない」は、密林の湖畔に築かれた離宮に隠遁する王女を巡る氏族間の権力闘争に巻き込まれた若い兵士の葛藤と決断を。3作目「子供には罪がない」は、雨に閉ざされた隠れ里に暮らす鉱石細工職人の男が直面した生と死、そして宿命の物語を。
これは、架空の熱帯を舞台にし、そこで生活する人々の目を通して、「世界」と「世界観」を描いた物語です。三つの物語それぞれに主人公はいます。しかし、真の主人公は世界そのものと言っても良いでしょう。暖かく湿った、噎せ返るような緑の大地。風と、炎と、大地の精霊を信仰する人々。それぞれの立場で、それぞれの思いを抱いて生きる彼ら彼女らの目を通して、ここではない、いまではない世界を垣間見て頂ければ、と思います。
文庫化に当たっては、DTPを加藤悠二さんにお願いし、電子書籍がこれだけ普及した今、敢えて紙の本として作る意味があるような、魅力的な装丁を一緒に考えました。その結果、三冊の文庫をブックケースに収めるという形になりましたが、実物を見て頂かなければ伝わらない仕掛けがいくつかありますので、是非一度お手にとって頂ければと思います。
オリジナルのA5版にはなかった装画は、zngoさんにお願いしました。ブックケースのデザイン素材は、「カトル・セゾン」シリーズの装画を担当頂いた日下田さんにお願いしています。また、風野湊さん、藤丸心太さん、石川豪さんに解説文を依頼し、各巻の巻末に掲載しています。
個別の物語のより詳しい紹介は、URLに記載したtumblrの記事か、カタログの該当の記事をご参照ください。サークルの最新情報、その他既刊の紹介等も随時更新していきたいと思います。それでは、暖かく湿った空気と噎せ返る緑の匂い、雲の向こう、雨の隙間、太陽が踊るあの場所で。
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