「アイドルになりたい」
ただ、それだけだった。
お客さん一人で500円バック。
小さなライブハウス、近すぎるファンとの距離、プロデューサー、枕営業、そして突然の警察からの事情聴取。
華やかに売り出されていく女の子を横目に、
「次は私が選ばれるかもしれない」と夢を見続けた。
歌もダンスも得意じゃない。
それでも、どうしても何者かになりたかった。
2010年代、地下よりさらに地下――
“地底アイドル”と呼ばれた世界で実際に見た、
夢と欲望とお金と大人たちの話。
あの頃の私は、
地底アイドルになりたかったんじゃない。
アイドルになりたかった。