先日、自宅の片付けをしていた時のこと。机の下の棚のその奥の隅の隅で影を潜めていた、小学校の卒業文集をふと手に取りました。埃を被ったその分厚く重たい冊子の隙間からふっと漏れ出てきたのは、小学六年生当時の生ぬるい風景です。同級生との別れを前に、卒業という節目を背負わされ、一枚しかないと脅されたかもしれない指定の「清書用紙」に、普段は使用を禁じられるはずのボールペンを使い、手書きで限りなく丁寧に、教員に直された文章を、プレッシャーの中でそっと書いた、ある日の三階教室……の風景です。あれから十数年が経過しました。言葉をそのように綴らなくてはならないというのは実に息苦しいことなのではないかと、今となっては思います。 『めくるめくる』はいわば、その対極にある作品集です。あくまでも日々の暮らしの中から生まれた、形式もテーマも色とりどりな言葉たちが、誰かに強制されるでもなく、それぞれの「書きたい」という自由な気持ちの中で、軽やかに立ち上がった作品たちが集まっています(〆切というプレッシャーがスパイス程度に香りつつ)。 そして何より、この本は【出会い】の一冊なのです。私たちライティング愛好会の面々は、日々の執筆のたび自らと出会い直し、定期的に作品を交わし合う中で互いと出会い直します。私たちが出会いながら綴った作品たちはこうして『めくるめくる』となり、きょう、あなたと出会いました。この本をめくるめくるその先に、あなたとわたしに、新たな、すてきな出会いがありますように。めくるめくる第五号 目次 [特集 花――ありふれていて、特別な] カスミソウ〈詩〉 花を咲かす〈詩〉 花の鳥葬〈短歌〉 花言葉〈エッセイ〉 人生と花〈エッセイ〉 花の葬式〈詩〉 薔薇の木の記憶〈詩〉 エディブルフラワー食べてみた!〈エッセイ〉
花園にて〈小説〉
Das Veilchen〈歌詞〉
花は花、人間は人間、私は私、でしか無いということ〈小説〉
[個人作品] (by いとせ) 九夜一夜物語(抄)〈小説〉 (by 大月千夜) ロスト・ロマンス〈短歌〉
いとしのハダカ猫〈エッセイ〉
異国情緒〈無季自由律俳句〉
(by 櫂子) 小春おばさんの黒い犬〈小説〉 変身譚〈短歌〉 蝶々夫人の娘〈小説〉 ねこは裏切るからやさしい〈詩〉 (by きのめ) 未題〈エッセイ〉
(by 冗衣) キャラクターのうた〈短歌〉 メモ 2025-2026 (by 魔女) メンケア〈詩〉 坊主の下着少女とシナモンと老婆〈詩〉
続 王子への手紙〈手紙〉
(by うさこ) 恥力発電〈漫画〉