東京藝大の同期約5人による同人サークル「百年寝ようよ」の約1年半ぶりの新刊です。テーマは「砂」。
Vol.05の制作にあたり、初めてみんなで鳥取旅行をしました。
旅行に行ったのは2025年の春だったので、もう1年以上前のことになります。約1年が経ち記憶も薄れてきた頃、みんなに号令をかけて上がってきたのがこの本の掲載作品たちです。一方、走馬灯のように挟まる「鳥取土産話」は旅行後すぐに執筆したものとなっています。
同じ空間・時間を共にした旅の経験がどうその人の中に残ったのか、思い出話とは違う形でそれぞれが表現しています。それぞれの作品たちは「経験から作品を創作する」ことがいかに幅の広いことであるのか体現しています。自分の身体を通して経験したことを時間も空間も遠いところに持って帰ってきてから語り直す。5つの咀嚼の形とリアルな旅行記のコントラストをお楽しみいただけたら幸いです。
A5サイズ/表紙カラー・本文一部カラー/90p
2026年9月13日発行
異なるタイミングで不老不死の体を手に入れた二人。鳥取砂丘の馬の背を越え、海を見渡すとき、遠い昔の記憶の蓋が開く。全10p
恵子の夢は野球選手になること⚾️
しかし野球部には「女が踏むと砂が穢れる」という言い伝えがあり、グラウンドに入ることすらままならない😰
不本意なマネージャー生活のなか、恵子は主将からある侮辱を受ける😡
怒りに任せて主将の宝物を捨てる旅に出た恵子❗️
だがそこで思いがけない人物と出会い——。
(10,682文字)
砂丘の目の前にある宿舎「砂丘荘」。砂丘から帰ってきた宿泊客が持ち帰る砂が宿のあちこちにこぼれ落ちる。一方で色砂で描かれた巨大なチベット曼荼羅はアクリルケースの中に姿を留めている。なにかが現れたかと思えば、また次のなにかへと移ろっていき、無機質な砂粒たちが生き物のように滑らかな波となり日常を侵食する。俳句17句とドローイングによる作品です。
私、積田かさね。角砂糖彫刻家”ミスターカクザトウ”のアシスタントです。 今日は師匠の大規模個展、設営初日💦
形あるようで呆気なく崩れる角砂糖を積んで、積んで、また積んで。この地道な下準備の先に、師匠にしか作れない大規模彫刻が立ち上がっていく。
可能世界は積まれ、削られ、取り出される——1つの現実が残るまでの、報われない工程の記録。全13p
藝大卒業後、モデル・俳優業へ足を踏み入れた著者による、東京一人暮らしの中で「砂漠の顔つき」を追い求める実践記録。まさかの実践一つ目は「思い切ってバイトを辞める」!(約6000字)