正しい子育て論は、たくさんあります。
でも、その正論が、目の前の我が子には届かないとき、親はどうすればいいのか。
本書は、松江塾の親向け講座『悪魔の会話術』を、我が子に届く形へ「翻訳」していった記録です。
あきらめる前に、まだできることがありました。
娘には、すんなり届いた声かけ。 同じように育てたはずの息子には、なぜか届きませんでした。
問題を見て、2秒で「わからない」「無理」。 間違い直しは大きらい。 よかれと思って説明するほど、親子ゲンカになる。
松江塾の親単科で教わったことは、どれも正しかった。
「幼少期の会話が土台になる」も、その通り。
でも、幼少期からやり直せるわけではありません。
理論は分かる。 でも、我が家では止まってしまう。
その前提に立てない子は、どうしたらいいのか。
足りなかったのは、正しさではなく「座標」でした。
どこを、どう。 それが分からなかったのです。
そこで私は、ChatGPTを壁打ち相手にして、息子との10年分のやりとりを見直し始めました。
「なぜ、この子には届かないんだろう?」 「私が見落としているものは何だろう?」
試して、空振りして、またAIに持ち帰る。
そんなことをくり返すうちに、バラバラだった10年分の観察がつながり、我が子の「取扱説明書」ができていきました。
ところが、そこで見えてきたのは、AIが正解を出してくれるという話ではありませんでした。
出てきた答えを「我が家仕様」に翻訳できるのは、その子を見てきた人。
観察して、翻訳して、空振りして、また観察する。
そのうちに、変わりはじめたのは——子どもではなく、私のほうでした。
この本に、すぐ子どもが変わる魔法の言葉は出てきません。
「この声かけをすればうまくいく」という正解集でもありません。
特別な才能も、資格もいりません。
必要なのは、その子を見てきたこと。
それは、あなたがもう持っています。
こんな方へ
・正しい子育てを学んでも、家では実践できないと感じている方
・勉強で「わからない」とすぐ止まる、間違い直しを嫌がるお子さんに悩む方
・声かけや、やる気の引き出し方を変えても、うまくいかなかった方
・「うちの子には無理なのかも」と、あきらめかけたことがある方
・ChatGPTなどのAIを、子どもとの関わりにどう生かせるか知りたい方
・松江塾の親単科『悪魔の会話術』に興味がある方
著者について
松江塾初代公認ママブロガー。
薬剤師として働きながら、勉強が苦手な息子と向き合う日々を毎日ブログに綴っています。
娘は中学1年生で英検準1級を取得。 一方、息子とは「わからない」「もういい」「うるさい」をくり返し、勉強をめぐって何度もぶつかってきました。
同じ親が、同じように育てたつもりなのに、なぜこんなに違うのか。
その疑問から始まった試行錯誤が、本書の出発点です。