初めて結ばれた日から一週間後の週末、アデレードとロゥは街中のカフェで待ち合わせた。先に着いたアデレードは、店の中でメニューを眺めながらロゥを待つ。
情熱的に愛しあったあの日以来、アデレードの脳裏からロゥのことが離れることはなかった。間接照明に浮かび上がるロゥの白い肌、時折耐えられないように漏れる吐息、自分の肌を、そして自分でも知らない奥のほうまでも侵食した彼の体。
あんな官能的な世界があったなんて。
その時のことを思い出すたびに頬が燃えるように熱くなる。
ロゥにまた触れてほしい。ロゥと触れ合いたい。そう強く思うことが恥ずかしいことなのか、それとも人類普遍の感覚なのか、アデレードにはわからないまま一週間が過ぎた。
ロゥは、いったいどう思っているのだろう。同じように触れ合いたいと思っているのだろうか。
彼が、私と繋がりたいと望んでいるとしたら、私は……。
メニューを眺めながら、脳内では愛しい恋人の像が映し出されている。
「アデール、すまない、待たせた」
その声にハッとして顔を上げると、いつのまにかロゥが横に立っていた。
「注文は済ませたか?」
彼は、向かいに座りながら問う。アデレードが首を振ると、ロゥは不思議そうに首を傾げる。
「どうした。体調でも悪いのか」
「ごめん、考え事をしていたの。私も今、注文するから」
暫くして注文を取りにきた店員に、ふたりでコーヒーを注文する。
今日はこれからどうしよう? ロゥの家に泊まる約束をしているし、彼の家に宿泊するのは初めてではない。でも。
「アデール、どこか行きたいところはあるか? 今日は寒いし、屋内がいいか?」
「屋内……。ロゥの部屋に行きたい」
ロゥにそう答えると、彼はハッとした顔でそのまま固まってしまった。
「あ……、その……。ロゥが行きたいところがあるのなら、そっちを優先で」
「今日はないな」
彼はキッパリとそう言う。その答えに、アデレードは頬を染めた。
「では、コーヒーを飲んだら行こうか」