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ノアちゃんの水色

  • さ-78 (小説|百合)
  • のあちゃんのみずいろ
  • ナナちゃん
  • 書籍|A5
  • 170ページ
  • 2026/9/13(日)発行
  • 『ノアちゃんの水色』

    人を救った魔法少女は、神様になった。 神様は、いつしか人を殺すようになった。

    魔法少女が人知れず存在し、事故や犯罪から人々を守っている世界。

    かつて、ひとりの魔法少女が街の救世主として名を馳せた。
    どんな悪人も許さず、誰かが助けを求めれば必ず現れる、正義の象徴。 人々は彼女を敬い、願いを託し、いつしか《カミサマ》と呼び始めた。

    しかし、強すぎる正義はやがて暴走する。 悪人を殺し、批判する者を傷つけ、大量殺人鬼へと堕ちたカミサマを撃ち殺したのは、親友である魔法少女・綴莎彩だった。
    悪いものを滅ぼし続ければ、親友が望んだ世界を完成させられる。 そう信じた莎彩は、その日から新たな《カミサマ》となった。

    そして現在。 寂れた地方都市・星ヶ原市には、扱いに困った魔法少女たちが集められている。
    優秀であることだけを支えに生きてきた、最年少の魔法少女・絹川世良。
     人間を恐れながら、怪物として誰より強い力を持つ・飴野ウズメ。
     誰かを救うことでしか自分を許せない、純白の聖女・高姫詩乃。
     魔法少女よりも学校とアルバイトを優先する、明るく現実的な高校生・有栖いろは。
    集会には来ず、活動実績も芳しくない。 誰もがそれぞれに欠け、魔法少女として期待されることを諦めた、問題児たち。
    彼女たちの街に、カミサマの影が現れる。

    人々から望まれた救世主は、なぜ悪になったのか。
    誰か一人を特別に愛する者が、すべての人を救う存在になれるのか。

    世良は魔法少女であることを誇りに思っている。
    天才である自分は選ばれたから。誰かに必要とされなければ、自分には何も残らないから。
    一方、怪物と恐れられるウズメは、人間の世界を愛しながら、その輪の中へ入ることを拒み続けていた。

    境界を越えて差し出された手は、救いでもあり、互いを逃げられなくする新たな呪いかもしれない。

    夏宮ノアが見つめる先で、祈りは少しずつ形を変えていく。
    少女たちにはそれぞれの崇拝と欲望がある。 愛と信仰、救済と支配。
    「誰かを救いたい」という美しい願いの奥に潜む、醜く切実な欲望を描く魔法少女百合群像劇。


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    【百合カップリング一部紹介】
    飴野ウズメ×絹川世良 人間になりたい怪物と、天才でありたい優等生
    人間を恐れ、誰とも深く関わらずに生きてきた、規格外の魔法少女・飴野ウズメ。 優秀であることを誇りにしながら、魔法少女としては思うように結果を出せずにいる少女・絹川世良。
    世良にとってウズメは、圧倒的に強く、何が起きても自分を守ってくれる存在だった。 どれだけ未熟でも見捨てない。 失敗しても笑わない。 自分より遥かに強いくせに、必要な場面では仕事を譲り、世良自身の手で戦わせてくれる。 その安心は、いつしか憧れだけでは足りないものへ変わっていく。
    世良はウズメを「お母さんみたい」だと思っている。 頼りたくて、甘えたくて、それでも守られているだけでは嫌で、いつか隣に立てるほど強くなりたい。
    一方のウズメが世良へ抱くものは、恋とも母性とも呼び切れない。 傷つく前の姿へ戻したい。 苦しみのない場所で、自分の手によって産み直したい。 世界のすべてを使ってでも、世良にとって都合のいい未来を用意したい。 それはあまりにも大きく、あまりにも一方的で、愛というには少し恐ろしい。
    人間の輪へ入ることを拒んできた怪物は、世良の隣にいるときだけ、自分が誰かに必要とされていることを受け入れていく。 そして、選ばれた天才でなければ自分には価値がないと思っていた少女は、ウズメのそばで少しずつ、弱い自分のままでも立ち上がることを覚えていく。

    綴莎彩×夏宮ノア 救いの神様と、神様を汚したい少女
    人々からカミサマと呼ばれる莎彩と、彼女に救いを見出しているノア。 莎彩にとってノアは、何も求めず傍にいてくれる唯一の存在。 自分がどれほど壊れても、変わらず名前を呼べば来てくれる少女。
    ノアにとって莎彩は唯一神であり、救世主。 美しいカミサマを支えることで、汚れた自分にも価値が生まれる。 女神の人生に自分という泥を塗り、傷つけ、必要とされることに甘い快感を覚えている。
    一緒に悪者になると囁きながら、心の奥では別の助けを求めるノア。 神様と信者の関係が、依存と裏切りの境界で揺らいでいく。

    呉稲穂×黒海真昼 嫌われても傍にいたい少女と、愛しているから許せない少女
    誰からも愛される、柔らかく可憐な稲穂と、他人を凡俗と切り捨てる孤高の人形師・真昼。
    幼い頃から2人は一緒にいた。しかし、真昼を守ると約束した稲穂は、大切なときにその場にいることができなかった。
    それ以来、真昼は稲穂を許さない。 どこを刺せば傷つくのか、どんな言葉を使えば泣くのか、誰より正確に理解したうえで拒絶し続ける。 それでも稲穂は、嫌われていると知りながら真昼のもとへ駆けつける。
    壊れた人形は直せる。 ならば、壊れた約束もいつか修復できるのか。

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