Dead End Fanatic
- さ-78 (小説|百合)
- でっどえんどふぁなてぃっく
- ナナちゃん
- 書籍|A5
- 220ページ
- 1,500円
- 2023/1/31(火)発行
- 『Dead End Fanatic』
愛するひとを、神様にした。 だから、もう後戻りはできない。
人々を救うたびに経験値を獲得し、その数に応じて強くなっていく魔法少女たち。
かつて四人だけだったこの街の魔法少女は、いつしか十六人にまで増えていた。東西南北、それぞれの地区に四人でワンチーム。正義の味方として街を守り、ときに協力し、ときに反目しながら、彼女たちはそれぞれの日常を生きていた。
しかしある日、魔法のコンパクトから新たな指令が告げられる。
多くの魔法少女の中から、最後まで勝ち残った四人だけを、正式な〈本物の魔法少女〉として選ぶ、と。
魔法少女、試用期間終了。 これより救助活動による成長は停止します。 今後、魔法少女が成長する方法は一つだけ。
『互いを喰らい、より強い個体となれ』
そんな残酷な仕組みを前にしても、少女たちが守ろうとしたものは正義だけではなかった。
誰よりも眩しい正義の味方と、地獄まで付き従う共犯者。 主人を神として崇める従者と、人間として彼女を愛そうとする令嬢。 傷つかない少女が作り上げた、完全無欠のヒーロー。 教祖となった旧友を止めるため、青春の終わりを選ぶ少女。 憧れのアイドルへ、自らの命を捧げる信者。 ただ見つめていた偶像の背を追い、正義の味方になろうとする少女。
親友、主従、共犯、師弟、崇拝、憧憬。 それぞれの間に存在する愛は、どれも嘘ではない。
けれど人を神にする愛は、ときに相手の弱さを許さない。 救ってくれない神を殺し、失った神を追い、自らの命を供物として差し出す。
愛は生きる理由になる。 愛は誰かを救う力になる。 そして同じ愛が、誰かを殺す理由にもなる。
街を巻き込む宗教騒動と、魔法少女同士の殺し合い。 それぞれの信仰を抱えた少女たちは、正義と欲望、祝福と呪いが入り交じる戦場で、自分だけの「本物」を選んでいく。
誰を信じるのか。何のために生き残るのか。 信じていた神が、ただの不完全な人間だったとしても、なお愛することはできるのか。
魔法少女の信仰百合を描く群像劇。
その愛が辿り着く先は、救済か。 それとも、行き止まりか。
これは最後に残る勝者を選ぶための選抜ゲームではない。 少女たち喰わせ、“本物の魔法少女”を作る儀式───蠱毒だった。
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【百合カップリング一部紹介】
◎現世ゆめ × 芥理紗
正義の味方と、地獄まで付き従う共犯者
誰よりも強く、美しく、正しい魔法少女であろうとする現世ゆめ。 生きることにも死ぬことにも執着を持てなかった芥理紗は、彼女に拾われ、隣を歩く役目を与えられた。
ゆめがヒーローである限り、理紗も正義の味方になる。 もしもゆめが悪へ堕ちるなら、そのときは一緒に悪虐の限りを尽くせばいい。
理解できない領域があることを認めたまま、それでも手を繋ぐ。 太陽のような少女と、その光が消える日まで共にいる王子様の物語。
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◎巫常羽 × 八重咲憂歌
人間になりたい神と、神を必要とした従者
何も知らないまま美しい鳥籠で育った巫常羽。 貧困と暴力の中で生き延びるため、他者を利用し続けてきた八重咲憂歌。
神などいないと知った憂歌は、人智を超えた美貌を持つ主人を、自分だけの神として崇める。 けれど常羽が望んだのは、偶像として祈られることではない。人間として憂歌を愛し、その手を取り、共に生きることだった。
神であれば仕えられる。道具であれば利用できる。 ただの人間として愛されることだけが、憂歌には何よりも恐ろしい。
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◎花染紅葉 × 五百久萌黄
完全なヒーローと、神を完成させたい信者
痛みを感じず、何をされても笑っている五百久萌黄。 そんな彼女を何度も救い、守ってくれた花染紅葉は、萌黄にとって最強のヒーローであり、唯一の神様だった。
神様は負けない。 神様は傷つかない。 神様は、いつだって自分を救ってくれる。
だからこそ萌黄は、紅葉の弱さも敗北も受け入れられない。 不完全になった神を見捨てるのではなく、自らの中へ取り込み、二人で完全になろうとする。
憧れが崇拝となり、崇拝が殺意と一つになる、最も純粋で残酷な信仰。
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◎幸守四葉 × 都那由他
神になった少女と、楽園を望む観測者
他人の感情を変える力で人々を救い、いつしか神として崇められるようになった幸守四葉。 退屈な世界に飽きていた都那由他は、彼女が約束した「苦しみのない楽園」を見届けるため、その隣に立つ。
四葉は信者を束ねない。 人が自分を信じることも、信仰のために何をするかも、本人の自由だと微笑んでいる。
那由他は四葉を盲信しているわけではない。 四葉が楽園を作れないのなら、自分で作ればいいとさえ思っている。
互いを完全には所有しない。 世界を面白くするために手を組んだ、無責任で自由な教祖と道化。
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◎薬王リコリ × 音生しじま
神の命令で戦う少女と、窓の外から来た最初の友達
自分が何者なのかも知らずに育った薬王リコリ。 幼い彼女へ窓の外から手を伸ばし、初めて友達になろうと言ったのが音生しじまだった。
けれどリコリが神として選んだのは、自分を治療した幸守四葉。 四葉を世界のすべてと定め、神に背く者、神の代わりになろうとする者を殺していく。
しじまは、戦うことしかできなくなったリコリを最後まで友達として「一緒に帰ろう」と呼びかけ続ける。
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◎物部ルル × 白野月下
人類を愛する魔王と、隣に立つことを恐れる信者
魔界の王を名乗りながら、誰よりも人間を愛し、無益な殺生を嫌うアイドル・物部ルル。
いじめによって人間社会から弾き出されてきた白野月下は、彼女を唯一の光として崇拝している。
月下はルルに近づきたかった。 けれど同じ魔法少女として隣に立つことは、自分には過ぎた罪だと思っている。
対するルルは、月下の変わった名前を真っ先に褒め、下僕ではなく一人の仲間として迎え入れる。
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◎雨井明愛 × 化野美棺
正義の教師と、鑑賞者から魔法少女になる少女
教師であり、魔法少女でもある雨井明愛。 口は悪く素行も決して模範的ではないが、人命を前にすれば迷わず炎の中へ踏み込む、現実の正義の味方。
引きこもりで、魔法少女を遠くから眺めることしかできなかった化野美棺は、そんな明愛に憧れ続けていた。
自分は選ばれるような人間ではない。 魔法少女たちの隣に立つ資格などない。
そう思いながらも、明愛の背を追い、震える足で人を助ける側へ踏み出していく。
偶像そのものになることはできない。 けれど、その人が守ったものを受け継ぐことはできる。
鑑賞するだけだった少女が、自分自身の正義を選び取るまでの師弟百合。
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過去に出した作品の改訂版です♩
大幅に加筆しました。
全体的なデザイン変更、イラストも増えてます。
表紙もリニューアルします。
