個展「つき と けしき」から生まれた、月のアートブックです。
月は、ただ空に浮かんでいるだけではありません。
見えている月も、見えない月も、名前を持つ月も、誰にも気づかれない月も、
それぞれの夜に、それぞれの顔をしています。
個展「つき と けしき」では、名前を持つ月を手がかりに作品を作りました。
本書ではそこからさらに、名もなき月を含めたすべての月相へと言葉を渡しています。
月の名、民俗、祈り、酒、会話、日々の感情。
古くから人の暮らしに寄り添ってきた月を、ひと月の巡りとして辿ります。
『月めぐりのうた』は、展示から生まれ、
展示だけでは収まりきらなかった月たちを一冊に編んだものです。
(個展作品では、左側に月面を手刷凸版で空打ちし、
削ったパステルの黄色を広げ、
その上から墨液で闇を重ねました。
真ん中は本文の一行目。
右側に話の内容が続きます)
展示を記録するためだけの本ではありません。
月の名をひとつずつ辿りながら、夜や昼空の中にある気配をめくるための一冊です。
『月と空の中で言葉に没入できる』そんな空間を作れるようにと、
おとなしくも大胆な本文装丁に仕上がっています。
新暦である月齢ごとにトレーシングペーパーの前扉をつけ、
次の扉では旧暦における名前。
その二つが合わさってはじめて、タイトルと月相を配置した扉となります。
次ページの本文は、
読みはじめがその物語のキャッチコピーであり一行目でもあるため、
天から淡い月光のようなニスに照らされています。
本文用紙は内容に没入できるような、かすかなざらつきを感じる手触りとグレーの色合いに。
文章ページは見開きで展開し、月夜の空間を思わせるゆったりした余白。
このようなアートブック仕様となりました。
この仕様は初版限りのものとなります。
(特装版も同じ中身です)
【仕様】
製本:くるみ製本(黄表紙に月の陰)
巻末寄稿文:ライトバース出版 黒崎晴臣氏
サイズ:A5判
会場見本:1冊
販売方法:会場在庫あり