なぜ仲人なのに婚活ラジオをしないのか 人間関係を雑に扱わないための少し遠回りな視点
- き-45 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
- なぜなこうどなのにこんかつらじおをしないのか にんげんかんけいをざつにあつかわないためのすこしとおまわりなしてん
- 村瀬あゆみ
- 書籍|B6
- 88ページ
- 1,000円
- https://ayukon.booth.pm/items…
- 2025/12/31(水)発行
- 「婚活ラジオはしたくない」
仲人である私が、そう思ったところからこの本は始まります。
結婚相談所や婚活の世界には、役立つ情報やノウハウが数多くあります。
けれどそれらを真面目に集め、実践しようとするほど、
「失敗しないように」「正しく振る舞わなければ」と力が入り、
本来目指していたはずの“その後も続いていく人間関係”から、少しずつ視点がズレてしまう。
仲人として、そして児童福祉の現場で人間関係を見続けてきた立場から、
その構造的な違和感を丁寧に言葉にしていきます。
この本で一貫して扱われているのは、
「どう振る舞うか」「何を言うか」といったテクニックではなく、
人と人との関係を支えている土台や構造です。
人間関係がうまくいかないとき、私たちはつい
「自分が悪いのか」「相手が悪いのか」
「直すべき課題はどこか」
と、答えを急いでしまいがちです。
しかし本書では、そうした課題そのものよりも、
・自分がどんな状態にあるのか
・相手との距離は適切か
・相互理解はどのように更新されているか
といった、関係全体の状態に目を向ける視点が示されます。
特徴的なのは、
「すぐに結論を出さなくていい」
「未熟さや不安定さを抱えたまま、関係を続けていい」
というスタンスです。
優しさや精神論ではなく、関係が壊れにくく、結果として整いやすくなるための、再現性のある見方として提示されています。
また後半では、こうした人間オタク的視点が、なぜ音声配信(ポッドキャスト)という媒体と相性が良いのかについても触れられています。
未完成のまま話せること、評価や固定を遅らせられること、ズレをその場で微調整できること。
声というメディアが持つ性質が、関係性を雑に扱わない姿勢とどのようにつながっているのかが語られます。
婚活中の方はもちろん、
人間関係に「正解」や「完成形」を求めすぎて疲れてしまった方、
発信や対話に関心のある方にとっても、
人や関係を少し丁寧に扱うための「距離の取り方」を考える一冊です。
