本書は、社会に適応できなかった人間の告白でも、 革命や解決策を提示するための書でもありません。 新卒として社会に出てから六年間、 資本主義の加速する街・東京で感じ続けた違和感を、 違和感のまま放置せず、 思考の記録として書き続けてきました。 働くこと、稼ぐこと、 意味のある行為とされるものを疑いながら、 会社員として過ごし、考え、立ち止まり、また働く。 その過程で見えてきた、 労働・お金・社会・都市の輪郭を、 エッセイという形でまとめた一冊です。 本書に、明確な答えや成功談はありません。 あるのは、 社会に対して「アンチ」という態度を選び続けた 一人の人間の記録だけです。 この本は、 社会を変えるためのものではありません。 自分が自分でいるために、 考え続けることをやめなかった、その痕跡です。 もしあなたが、 この社会に強い違和感を覚えながらも、 「自分のほうがおかしいのではないか」と 思い続けてきたのだとしたら、 本書は、あなたのためのものかもしれません。