私たちは同じ街にいても、きっと異なる街を見ているー
『ANOTHER CITY』は、書店の同僚二名で制作した2冊目のZINEです。都市と日常の背景にあたるものを写し、マテリアルとしての都市の触感を束ねてみました。遠景と近景。交通とすれちがい。誰のものでもない、けれど、きっとあなたのためのものでもある都市の非参与観察。そこに、別のコンテクストを持つ文章を織り込むことで、単線の物語としてではない、未定系ななにかが生起するのでは、と期待を寄せています。
タイトルは劇作家・如月小春の戯曲『ANOTHER』(1981年)から着想を得ました。
矢川澄子、島尾ミホといった女性文学者たちの生き方、自己犠牲への問いかけに満ちた掲載の文章「自分ひとりの部屋はなくても」は、全身を預けるようにして作品と著者へ迫る読書のあり方を伝えています。都市の写真への接近と曲折、行間の体温を、ぜひその手でお確かめください。