夏の面影を感じられる六つの物語。
「とぷとザピロ」
砂の上で出会った二つの生命体。名前や、姿の美しさや醜さは誰が決めたもの? 力をぬいて考えたらわかるかも、たぶん。いや、わからないかも。
「こがっぱとアイスキャンデー」
夏の日、こがっぱは泣いているおかっぱ頭の少女に出会った。あの夏のアイスキャンデーはどこ行ってしまったんやろ。
「ぷらりひょん」
突然窓からやってきた、「ぷらりひょん」とかいうちっちゃなじいさん。口も態度も悪いのに、「俺」はなぜか憎めない。
「梅干し音頭 猫ドラドラ」
──エニャコラセ〜ドッコイセ!
「おいら」が夢に見た、猫たちの河内音頭。懐かしい野良猫なかま。姐さんどこにおるん?
「夕立」
楽しみにしていた夏祭りなのに。
──ぜんぶ、リツ子のせいだ。
中学生の「私」は部屋に閉じこもって、交換ノートを持って飛び出した。夕立のなかを。
「たまゆら」
「ときえさん」は眠りにつく前、去りし夏の日々を思い返す。ビー玉が触れる音が響くほどの一瞬のできごとだったけれど、ずっと心のなかにある、あの子のこと。
文庫本サイズの和綴じ本を手製いたしました。
「とぷとザピロ」は無料配布もごさいます。