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月輪の指

  • H-15 (評論・研究|ファンタジー・幻想文学・怪奇文学)
  • げつりんのゆび
  • F・W・ベイン
  • 書籍|B6
  • 212ページ
  • 3,000円
  • 2021/1/27(水)発行
  • 英国の経済学教授がインドに赴任したとき、「翻訳」として発表したインド神話風創作です。

    20世紀初頭、インドのプネーに赴任し、サンスクリットや他のインド諸言語を学んだベインはちょっとしたいたずらを思いつきました。サンスクリットの写本から訳したと題して、詳細な解説や、訳注をつけた創作を書いて発表したのです。本書は、偶然助けたインドの高貴な老人から死ぬ間際に受け取った写本を翻訳したものだと解説されました。

    このいたずらは一定の成功を収め、新聞・雑誌の書評も好評で、当初は大英博物館のインド文学部門に所蔵されるほどでした。インドを知りたいのであれば、ベイン教授の翻訳を読むといい、といった論調で紹介されました。

    しかし、二作、三作と「翻訳」されていくうちに、ベインの翻訳は怪しいと思われるようになりました。そのうえであっても、「ベインの作品はインドを知るために優れた著作だ」という擁護も見られました。そのぐらい真に迫った作品を書いたというわけです。

    ベインの日本における紹介は、大正時代に片山廣子が始めました。本書はさいしょ、大正時代の雑誌に第一話だけが翻訳されました。それから、約100年後の今日、新しい翻訳となって21世紀の初頭に全編が出版される運びとなったのです。

    スーリヤカーンタ王は、肖像画で見た女性に恋をし、付き人を連れて訪ねていきます。当初は断られた求婚ですが、付き人が話す寓話によって、少しづつ心を開いていきます。幻想文学として優れた物語です。

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