私は今からここで、男の子とセックスしないといけないんやなぁという実感が湧いてくる――合コンで出会った初対面の相手の家にもぐりこみ、何としてでもセックスしなければ!と画策するナナカ・二十歳目前。切羽詰まったその理由とは?若さが炸裂する青春恋愛小説。
それは、クリーニング店の年上の女性から渡された「よかったら、ご飯行きましょ」という一枚のメモから始まった。彼女には夫がいて、娘がいて、そして隠しておきたい過去があって・・・古都・奈良をめぐりながら深まっていく二人の恋が行き着く先は。
わたしは帰宅すると、まずはうさぎのケージを覗きこみ、ただいまと声をかける――うさぎのクリームを抱いている時、「二人でひとつ」というほどの調和を感じる一方で、夫との会話は上手く噛み合わず、うさぎサークルで知り合った人々との関係もどこか、いびつ。淡々とした日常の底に流れる不穏さを描き出す。
その世界では、不倫は罪。犯した者はつる植物に変えられる――つる植物と化した父と暮らす、晴之と勲の兄弟。そこへ現れた少年コイショー、年の離れた腹違いの弟。父の不倫相手が産んだ子供・・・ぎこちない三人の出会いにピアノの音色が加わった時、なにかが始まる。