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アラブの富豪とコンビニバイトの俺

  • D-38 (小説|BL)
  • あらぶのふごうとこんびにばいとのおれ
  • きよにゃ
  • 書籍|A5
  • 50ページ
  • 300円
  • http://kiyonya.xii.jp/offline…
  • 2016/8/12(金)発行
  • 「こんなに愛しいものを、もう離してやれないな」

    コンビニで働く沙己は、客の深沢にいつも話しかけられ困っている。ある日、店内に忘れ物をした外国人に届け物をすると、意外なほど喜ばれ、食事に誘われてしまい──!? 

    包容力のあるスパダリ×コンビニバイト。
    【溺愛/受け視点/ハッピーエンド】(R18)
    《ムーンライトノベルズ日刊完結部門一位作品》

    表題作のほか、幽霊生徒×新任教師短編も併録したweb再録本。
    続編がありますが、この本だけで完結しています。
    --------------------

    【サンプル】

     「お客様、忘れ物です!」
      コンビニ前の道路を歩いて行く派手な二人組を呼び止めると、大声に気付いたのか、黒スーツが振り返る。
     「~~~~?」
      まずい、聞いたことのない言語だ。外国人らしいとは思っていたが、本当にそうだったんだ。
      なにか言わないと。相手が外国人だと分かると、思いつく言語が英語しか浮かばないのが悲しいが、それでもいいやと開き直った。
     「え、ええと……デジューフォゲット、ディス……スーツケース?」
      アタッシュケースをなんというのか知らないし、英語も通じるのか分からないけれど、身振り手振りで黒いケースを差し出す。コスプレイヤーにとって、小道具は大事なものなはずだ。
      黒ずくめのスーツ男は頭に手をやった。すぐさま沙己の手を握りしめる。
     「サンキュー、ボーイ!」
      通じた……と思った時、黒スーツの後ろから流ちょうな日本語が聞こえてきた。
     「驚いたな。誰かも分からないのに、わざわざこのアタッシュケースを届けてくれたのか。中味を自分のものにしようとせずに? ……日本人が誠実だと聞いていたのは本当だったんだな」
      明るいベージュ色のスーツを着た長身がサングラスを取る。そこには彫りの深い美丈夫がまぶしいものを見るように沙己に向かって微笑んでいた。
      黒い頭髪は、少しカールがかかっている。瞳はやや薄めの茶色で、野性の黒豹を思わせる鋭さがある。目元に中東の人独特の迫力があり、全体的に格闘選手のように精悍で凜々しい。沙己にはない、強い男性像を絵に描いたような人だった。
     (かっこいい……。男らしい人だな。こんな人なら、痴漢に遭ったりしないだろうな)
      一瞬、野性的な容貌にぼうっと見とれてしまった。
     「きみ、名前は?」
     「沙己……です。瀬尾、沙己」
      もごもごと返事をする。
     「サキ、感謝する。この中には、とても重要なものが入っていた。礼を言う。きみこそ、クルアーンのイフラークを体現する者だ。私に大事なものを教えてくれて、ありがとう」
     「クルアーン?」
     「ムハンマドの教えだ。私たちムスリムは、それにのっとり生活している」
      ああ、コーランのことか、と沙己は納得した。それにしても、体現してるってなんだろう。
      そう思っている間も、男は好ましいものを見る目付きで沙己を見つめている。
     「いえ、そんな……。大げさですよ」
     「その謙虚なところがますます素晴らしい! まさに善い行いをする者だ!」
      話が長そうだ。早くレジに戻らねば、相田に迷惑がかかる。
     「これからは気を付けてください。じゃあ」
      そう言って去ろうとすると、がっしりと手をつかまれた。
     「サキ、この礼がしたい。よかったらまた会ってほしい。ごちそうする」
     「えっ」

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