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くわしくは第四回文学フリマ大阪公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

mint vol.0.0

  • A-28 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • みんと
  • 岩城裕明、百壁ネロ、井上竜、円山まどか、城島大、ササクラ
  • 書籍|B6
  • 500円
  • 母が遺体防腐処理をほどこされて帰ってきた。父は母を君と呼ぶ。そのまま弾け飛ぶんじゃないかと心配になるほどに顔を赤らめて。「生きてる時も血は赤かったと思うけどなあ」洗濯機がうなり声をあげていた。派手なことはせんといて。意識を朦朧とさせながらもろきゅうを作るなんて。「新製品のベーコンです」「あ、どうも」正座をしてカメを捧げながら祈る。固いむき出しの死だった。「なんで、焼かなあかんのやろ」スク水ポニテ少女は目をパチクリさせて。「噂坂くん、大変なのっ!部室に私以外のゲロがあるのっ!」オートミールをぐちゃぐちゃにしたような。ネバ高新聞部=将来有望な変態の集まり。超パラフィってる。うん。部活前、部活中、部活後に吐くのが日課だから。猫の糞バーグの香り。なにやってんだこの子。スタンガンでも喰らったのかってぐらいビクンッ! なんか、いろいろ、だいぶ吹っ切れてきた。意訳するのならば、自殺偽装店ということになる。偽装工作と処理を合わせたものが700万円。アイドル声優。唯一首元に巻かれた黄色のスカーフだけが。まるで恐竜の革でも張ってあるかのようなアームチェアー。「サようデ」首の中央にぽっかりと空いた穴を使って煙草を吸っている。作成されたメモは、焼却処分してくださるようお願いします。ひょうきんに踊る骸骨。自分がアンパンマンならばと。ひらかれた本のモチーフがひかえめに。ああうつくしい文章を書くひとは、やはり独自の美学を持っているものなのだ。なぜか半裸であることに気がついて。知性の証明である著作こそが不死身である。地獄いきだよ。友達の友達から聞いた話なのだが。月光学園版メリーさん。オカルト研究部。神様の祓い屋。血がまるで生き物ように蠢き。異常者は拒絶しなければ。対抗神話の作成。ビスクドールのように滑らかな手触りをしている。二メートル以上はあるかと思われる西洋人形が。パチンと指を鳴らした。「暴走するなよ」「保証はしない」匂い立つ女たちが集う郭で。あの朱色が徒花だと教えてくれたのは誰だったろう。「これを食べてはいけないよ」雷光に合わせて明滅する刃に触れる。肌蹴た寝巻から伸びる脹脛の生白さ。添えられた刃が、ざり、と私の長い髪を断っていく。母は美しい人であったから。「ん、ん」と傷をぱっくりと開いて、実が喘ぐ。淋しい独り寝の母の、首と胴が離れている。スライムのごとく小さな桃色の物体をズルリと。体液を抜き取られ、代わりに防腐液を注入された母は数ヶ月間腐ることがないと言う。「お母さんと一緒に寝たりするん?」紺色の水着の胸元を染めていき。江戸川乱歩に聞かせてやりたいような晩が明けまして。ようこそ悩める変態ちゃん! 力士顔負けとしっかりと目が合ってしまった。よほどお顔に自信があって残酷なかたなのでしょう。敬語が恐ろしかった。恥ずかしさをおくびにも出さない。おくびとは確かゲップのことだ。私、ゲロを気配だけで察知する能力があるから。寝首を掻くとは正にこのことか。肝臓が誰かにかじられて。死ねばだれだって骨だけになる。「嬰児の成れの果てだよ」「いや、顔には出してないけど相当ヒいているよ僕」首以外の穴がすべて塞がっている。私の頭が、踊っていた。醜いわたしのいじけた踊りを、ここまで読んでくださって感謝いたします。「それではよろしいですか」母と私を造り続ける何百人目かの母の人形は。「よろしくないです」喉に当てていた電気喉頭を目の前のテーブルに置いた/岩城裕明 百壁ネロ 井上竜 円山まどか 城島大 ササクラ が同人なのをいいこと好き勝手書いた短編集です。

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