死にかかった世界に生きる、死なない子供たちの物語。
過去の戦争によって衰退し、汚染の進んだ臨海の国で、
《天使》と呼ばれる「平和のための兵器」として、
「戦争のための兵器」を回収するふたりの少女と、
国を統べる《教会》から逃亡を続けるひとりの少年。
遣う大人と、遣われる子供。
滅びゆく歯車が奏でる、退廃的SF小説です。
【試し読み】
http://frosty.holy.jp/zero/works/005puppet.html
【あらすじ】
スモッグに覆われた、星の見えない空。
魚のいない、毒の海。
強酸の雨に冒された、海底に沈みゆく大地。
過去の戦争によって衰退し、汚染の進んだ臨海の国に、
《天使》と呼ばれる、ふたりの少女がいた。
《天使の種子》と称される『寄生する機械』を移植され、
死なない体をもつ彼女たちは、
『平和のための兵器』として、未だ各地に残る『戦争のための兵器』を回収していく。
大人たちの下で、日々、淡々と命令を受けながら。
一方、国を統べる《教会》から逃亡を続ける、ひとりの少年がいた。
国中を転々としながら、彼は数々の『終焉』に立ち会っていく。
互いに回りつづける歯車が噛み合うとき、
その先にあるものは、滅びか、それとも――
遣う大人と、遣われる子供。
黒白の世界が交叉する、退廃的SF小説です。
★一部ですが、流血描写、性描写を含みます。