不倫の恋に破れ、仕事も失ったアラサー女子・のりこ。
そんな彼女が逃避行の末にたどりついたのは、祖母の暮らす海辺の小さな町だったーー。
2015年9月20日刊行
四六判ソフトカバー
定価1600円+税
ISBN978-4-334-91056-3
光文社
「どうして他人のことを、強いだなんて勝手に思っていたのだろう。
みんな寂しくて、誰かを求めている」
◎内容紹介
不倫、妊娠、流産、失恋ののち、追われるように会社を辞めた28歳ののりこは、半年間の引きこもり生活から抜け出し、祖母の暮らす海辺の小さな町にきていた。祖母の家を訪れるのは何年ぶりのことか。夏も終わろうとする季節、冷え切った心と身体を癒すように、のりこと祖母の二人暮らしが始まる……。
そんなある日、海で泳ぎ疲れたのりこの前に、ぱちこと呼ばれる一人の少女が現れる。美しいその少女は、口を利きたくないのか、利けないのか、ひとことも話すことなく、ぬらぬらと揺れる魚入りのカプセルを、のりこに差し出してきたのだった。
祖父を亡くし気丈夫に生きる祖母や、事情を抱える不思議な少女との対話のなかで、何かを吹っ切り、少しずつ成長していくのりこの姿を軽妙に描いた連作集。
【著者紹介】
1979年大阪府生まれ。京都光華女子大学卒業。2008年に「ベースボール・トレーニング」で第26回大阪女性文芸賞を受賞。2014年に収録作の「カプセルフィッシュ」が第8回小説宝石新人賞・優秀作に選ばれ、作家デビュー。文芸同人誌「カム」所属。
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