学生時代からおよそ10年の間に書きためた詩や歌詞を集めた処女詩集です。
全五十編。
作品のイメージから、友人のくろそま氏に表紙を手がけていただきました。
風と金魚と冬が好きな魚座が書き綴った一冊。
お手にとっていただけたら嬉しいです。
≪ 自序抜粋 ≫
とある作家の言葉を借りれば、私の詩は「残念ながら美しいとは言へない」でしょう。
これからお目にかける詩は、金魚鉢から恥ずかしくもこぼれた金魚の泡です。
本来消えゆき、歯牙にもかからぬ囁きで終わるような言葉たちです。アナタの思う美しさや正しさ、悔しさや苦しさではない詩がたくさん出てくる事でしょう。それでも、私はそれらを美しく思い、正しいと考え、歯を食いしばり、涙してまいりました。
これはそうして内々で育てた金魚の泡です。
諺で知られる蛙よりは、いくぶんか鉢の中で世というものを見たつもりの金魚の泡です。
しかし金魚鉢に住む金魚ですから、ガラス越しの歪みに盲目だったり、必要以上に口を開いたり、空から降る餌を食むだけの甘さもありましょう。
この一冊には、自身を慰めた物から、評価を得るために書いたものをより集めました。
言葉をお借りした彼の人生ほど齢も経験も重ねが足りておりませんが、どれか一つでも、アナタに溶け込めたらと願います。
さらに欲を言えば、この金魚の泡を美しいと思っていただけると幸いです。
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