私は昨年、思いがけず統合失調症で入院しました。妄想や幻聴などによって「現実がわからなくなる」現象は、それまでの自分にとって、想像できないものでしたが、実際経験するとそれまでの現実生活とつながりのある見知ったところのある世界だと分かりました。その時間は、時に苦しくも、すこし滑稽だったり「面白い」ところもありました。私は、多くの人にあまり知られていないこの世界のリアルを、zineを通じて追体験してもらいたいと思い、zineの制作に取りかかりました。また、私はこれまでフェミニストとして生きてきており、入院生活における性差別や不平等についても描きました。このzineを通じて、精神科病院の壁の向こう側を経験した人もしていない人も、当たり前と感じていた経験を揺るがす機会になったらと思います。