『郷土趣味』は、田中緑紅(1891-1969)が大正7年(1918)1月に創刊し、大正14年(1925)4月まで発行されていた趣味誌(ZINE)です。
内容は当時の緑紅の趣向を反映して全国各地の民俗文化や伝承の報告、郷土玩具などに関する寄稿が多く、今となっては大正文化の貴重な記録となっています。
私たちが緑紅の京を語る会を承継し、新たな会誌を作るにあたって『郷土趣味』の名は私たちの活動にふさわしいものだと考えました。奇しくも最後の『郷土趣味』第56号の発行はちょうど100年前のことでした。
復活第1号(通巻57号)では、昭和11年(1936)に緑紅が田中家のルーツをたどって大分県を訪れた私家版紀行文『大分より高知へ』の前半部(別府~臼杵編)を翻刻して掲載します。
大毎旅行会のツアーを利用して大分への帰省を計画した緑紅は、瀬戸内海を客船で移動し、地獄めぐりなどの観光も楽しんでいます。当時のチラシや旅券、スタンプなどを誌面に貼り込んであり、その凝りようは個人資料の域を超えています。
私たちは約90年前の緑紅と同じルートで今年4月に現況調査を実施し、その成果を解説としてまとめました。
[掲載記事]
田中緑紅『大分より高知へ』前編
解 題 中野 貴広
翻 刻 辻 斉
解 説 辻 斉
剣鉾探訪(一)犬鷹鉾と岡﨑祭の剣鉾たち 高島 孝佳
百年前の宝探し(一)五條天神宮の宝船図 中野 貴広
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