なにが悪かったわけでもない。誰のせいでもない。いつのまにか摩耗していて、負荷に耐えきれなくなった、というだけのことだ。
道端に何かが落ちているのに気が付いた。あれは、もしや……。心を躍らせながら近づいてみると、それは私の期待通り、ネギだった。
宿主のカマキリを操るハリガネムシのように、文字は人の行動を変えるようだ。
『君』に触れようと手を伸ばす。触れられないまま、揺らいで遠ざかっていく。
〈想像〉してほしかったんでしょう。自分がどれだけつらく、恐い思いをして死んでいったかを、みんなにわかってもらいたかった。
夜の底を歩きながら、考えていた。きっとこんな夜道はまだ一人では歩けない。隣に誰かが歩いてくれないと無理だ。
死ね。
死ね。
いっそ全部死んでしまえ。
「今までの人生で一番好きな本は何ですか?」
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