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鬼切る太刀に咲き添ういばら

  • い-01 (小説|妖怪変化・もののけ・常世)→配置図(eventmesh)
  • おにきるたちにさきそういばら
  • 孤伏澤つたゐ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 68ページ
  • 500円
  • 2016/10/08(土)発行
  • 「鬼の腕を斬った髭切は、鬼切、なんてよばれるけど、
    腕をきられた髭切はなんて呼ばれるんだろう」

    刀剣乱舞二次創作。
    渡辺綱と髭切の物語です。
    収録作「片腕」をこちらより全文お読みいただけます。

     綱、とくちびるだけで名を呼ぶ。刀であったときにはかなわなかった行為であった。……名を呼ぶことも、立ち姿を見ることも、腕を切り落とされることも。
     なんていうかたちになってしまったんだろうと思わなくもない。刀についた付喪神がひとの姿を借りて具象化したといえば聞こえはいいが、こんなものはふわふわしていたあやかしに自我をあたえ、たたりでなく物理で破壊を可能にする装置を提供してしまっただけだ。
     歩みをすすめる。
     ひとの手からひとの手へ、手わたされてしかうごかされることはできなかった刀が、いまはみずから両の足をつかってかつての使い手ものとへ歩いている。それも、刀に切り落とされた腕を取りもどすために。
     ものがたりとしてはあまりに無理のある展開に、我ながらあきれてしまう。刀が、使用する側の人間に似たかたちになってかつて自分を使っていた人間と対峙するなんて、荒唐無稽なはなしをだれが語るだろうか。
     ああだけど、だけどこれはまだものがたりにはなっていないのだ。―この時代に刀の付喪神を具現化させる技術はない。そして、刀をひとがたにすることが可能な時代からしてみれば、これはまだ現在進行している時流で、物語としてかたるには真新しく、やわらかすぎるのだ。
     髭切は闇を歩いた。
     たどりついたおくの間に、男はいた。ちいさな明かりをともしただけの室内は、夜目のわるい太刀にとってはほとんどが闇だったが、あぐらをかいて座っている男のまえに、黒塗りの唐櫃があるのは見えた。
     ほかに適当な挨拶が見つけられず、
    「こんばんは」
     と、声をかけた。

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