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aBre vol.13

  • か-15 (小説|ミステリー)→配置図(eventmesh)
  • あぶれ
  • 穂坂一郎、輪島融、千沢浅俊、秋梨ほか
  • 書籍|A5
  • 100ページ
  • 500円
  • 2016/11/23(水)発行
  • 【委託作品】

    aBre vol.13に収録された作品をご紹介します。
    作品の紹介は執筆者以外のメンバーによるレビューを引用しています。


    サマータイム・ランデヴー 穂坂一郎
    『俺と月子さんがキスできなければ、パプアニューギニアが消滅する――』 脳内に住み着いた宇宙人が告げた衝撃の事実。
    星介はパプアニューギニアの未来のために、憧れの人とキスをしなくてはならない。
    今はもういない、陽介兄貴のかつての恋人と。 想像してみて欲しい。パプアニューギニアと我々の距離を。
    そこが滅びるかもしれないという現実感の乏しさ。
    対して、手を伸ばせば触れられる距離なのに、それができない圧倒的なリアル。
    宇宙人に住み着かれて、滅びを予言されて、それでもまだ手を出せない、
    そのもどかしさはきっと多くの人が共感できるだろう。
    誰かに背中を無理矢理押されて、それで進みたい人生だった。ていうかどこだよパプアニューギニア。

    マンガを詰める日 輪島融
     突然ですが、貴方はマンガが好きですか? 月にどの程度マンガを読みますか? 
    漫画家の名前を何人ご存じでしょうか?
    押切蓮介、阿部洋一に阿部共実、沙村広明や小路啓之。
    漫画家とは違いますが、大塚英志などなど。
    これらの名前を一人でも知っているなら、この作品を読むといいでしょう。
    或いは知らなくても、貴方がマンガを好きであるならば。

    カラーボックスに詰められたそれらのマンガを、
    主人公は淡々と段ボールに詰めていきます。
    一冊一冊に込められた思いとともに、丁寧に。
    彼がマンガを詰め終えた時、彼がどれだけマンガを愛しているか、貴方は知ることになるでしょう。
     余談ですが、作中に出てくるタイトル、私が知っているものは13作品でした。
    まだ未読の作品についても知りたくなる、そんな作品です。貴方は何作ご存知でしょうか?

    ノー・ルーム/ノーウェイアウト 千沢浅俊
     何もかも疲れた。死んでしまいたい。許せない。殺したい。殺してやりたい。
    茨城県で起こった老人の不審死。
    対峙するのは少年とヒーロー。正義は悪に立ちはだかれるのか?
     少年は、人を殺したくて仕方がなかった。 何故人は人を殺してはいけないのだろうか。
    どのような理由があれば、人を殺してもよい理由に足りうるだろうか。
    世間一般に悪いとされる人間相手ならば、何をしても許されるのだろうか。
    その判断基準は、絶対的なものだろうか。 間違っているとされている行動を、それでも満たさなければならない時、
    一体誰がその行動を許してくれるだろう。
    例えば街を守るヒーローがいたとして、そのヒーローなら、止めてくれるのだろうか。 誰でも一度はきっと抱えるであろう、殺人衝動。それは他人事ではないのだ。
               ◇
    そして、
    終末時計は2分前になった。 汚濁した町、暴動、世界が本当に滅亡しかけた時、ヒーローは何を思うのか。

    僕と彼女とゾンビの進む道 ィヤンキー・キャムキャムメロン
    「ねぇ、賭けをしない?」 取り残されたタワーの中、彼女は僕にそんな提案をしてみせた。
    ゾンビ作品は映画をはじめとして、ゲームやマンガなど、どんな分野においても定番となっている。
    そしてどの作品においても、ゾンビは襲ってくるものだし、ゾンビに襲われればゾンビになるというお約束がある。
    ホラーとして非常にわかりやすい設定だ。
    この作品におけるゾンビは他のゾンビ作品とは少々異なる。まず、彼らは襲ってこない。 まるで野良猫のようにその辺をうろつくだけだ。ではどのように増殖するのかというと、まるでわからない。
    他人の目の届かないところにいると、いつの間にかなってしまう。
    ただその事実だけがあった。
    僕と彼女は、そんな世界にあるビルの中で、コーヒーを飲み交わしている。
     静かに滅びていく、思い通りにはいかない世界の中で、
    それでも人間を続けるためにはどうすればいいのか。
    人間である定義とは何だろうか。我々も実はいつの間にかゾンビになっていやしないだろうか。

    TSUKIYO 此礼木冨嘉
    宵闇の頃、キャンプファイヤーの炎に夢中の小学生。
    それを横目に、レクレーション準備の為に立て看板作りに打ち込む鎌嶋たち。
    親睦を深めるための交流会で、彼らはそれぞれの夜を過ごす。
     何年も一緒に過ごせる仲間というのは、若い頃でも出会うとなんとなくわかる。
    それは話が合うとか、一緒にいて苦痛じゃないとか、同じツボを持っているとか、
    そういうものの積み重ねみたいな。
    でも実際のところ本当にずっと一緒かといわれると、その頃になってみないとわからない。
    それでも、これから先もずっと一緒にいたいという想いを、形にしたがる。

    例えばブレスレットとか、指輪とか。

    その形の中に自分が含まれていないのを見た時、どんな気持ちになるだろうか。
    私ならせめて思い出の瞬間を誰かと共有したいなんて、そんな寂しさを感じるんじゃないだろうか。

    After pRay 秋梨
    「おっ、ピカ○ュウ持ってんだ」
     話題のゲームアプリに真っ向から切り込んだ問題作。
    ゲームアプリの怪獣に群がる人、熱狂する人。
    就活連敗中、未だ何者にもなれないわたしの前に現れるのは――?!

    世間に迎合できない自分の性質に悩む女子学生の葛藤を描いている。
    あのゲームによって、これまでの環境を変化させられたと思う感覚は、その良し悪しの評価は人に拠るとしても、
    読む人の共感を誘うものであるだろう。
    あのゲームは言葉にしきれなくても「なにかがすごい」「なにかがやばい」という印象を強く残した。
    その「なにか」が現実世界を侵食する物語後半の描写は、
    悪夢的でありながら起こるべき事態が起きたという確信をともなう。
    それを葛藤を行動に昇華させ、打ち破っていく主人公の姿はそれを「なにかが」でしか表現できない私や、
    そしてたぶんたくさんの世間の人々にとっても爽快だ。

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