屋島の戦いで活躍した弓の名手、那須与一。 己の力量に奢りそうになると悩む彼に、義経が大陸に伝わる古い話を語りだした。 何でも大陸には、羿という名の弓の名手がいたのだと言う……。(羿の如く)
明石の須磨寺で、夜な夜な笛の音が聞こえてくるという。 その怪異を解き明かしに寺を訪れた陰陽師、安倍有世が見たものとは……?(小枝の詠)
那須与一と、中国の伝説を組み合わせたら? 敦盛と耳なし芳一だったら? そんな好奇心から生まれ出た小説を全部で五話。『平家物語』をベースとした歴史小噺を騙り語る、短編集です。
有名どころの人物では、源義経、武蔵坊弁慶、那須与一、木曾義仲、巴御前、平清盛等が登場します。