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夜明けの少年

  • か-11 (小説|その他)
  • よあけのしょうねん
  • ake
  • 書籍|A5
  • 【タイトル】

    ​夜明けの少年 ─お話の始まり─


    【キャッチコピー】

    「母さん、うち、また賑やかになるよ」
    パンデミックが奪った日常の果て、凍てつくゲルの二重扉の向こうで、僕らの新しい家族が始まった。 


    【あらすじ】

    冷え切った白い空気、降り積もった雪。

    草原の国に生きる6歳の少年・ユルのもとに、長旅から帰った父・バータルが抱えてきたのは、見知らぬ泥だらけの幼い男の子だった。

    ​男の子の名は、チョウ。3歳。 

    世界を襲ったパンデミックによって両親を亡くし、ショックからか言葉を失ってしまった少年。

    ​ユルたちの家族もまた、大好きな母親を同じ理由で亡くしたばかりだった。

    残されたのは、不器用でどんぶり勘定な父親と、怒りで寂しさを隠す15歳の姉・エイコ。
    そして静かに家族を見守るオユンばあちゃん。

     家計は大赤字。
    おかずは一品ずつ減っていく。
    自分たちの生活だけで精一杯の冷たいゲルのなかに、ぽつんと投げ込まれた「よその子」。

     ​最初は憤り、戸惑う子どもたち。

    しかし、温かな塩入りのミルクティーを囲み、お互いの傷に触れ、笑い合ううちに、凍りついていた時間がゆっくりと動き出す。

    ​これは、過酷な自然のなかで寄り添い合い、本当の「家族」になっていくひとびとの、優しくも泥臭い、長い夜明けの記録。



    【本作の見どころ・魅力】


    徹底した生活描写とリアルな空気感

    ファンタジーや美談調に逃げない、リアルな「遊牧民の暮らし」を描きます。
    ストーブに焚べる牛のフン、洗面器の温かな湯、お星さまの形の揚げパンや酸っぱい乾燥チーズ。
    実際にモンゴル遊牧民のゲルで一週間ホームステイしてきた作者の経験を活かした、五感を刺激する緻密な描写で、草原のゲルへと誘います。


    対照的な二人の少年と、運命的な絆

    幼いながらも家族を観察し、母の形見の端末をそっと見つめる聡明な「ユル」。
     言葉を持たない代わりに、地球のような美しい青い瞳で世界を見つめる「チョウ」。
     まるでパズルのピースが合わさったかのように、出会った瞬間から寄り添い合う二人の尊い関係性の「原点」がここにあります。


    悲しみのなかにある、愛おしいユーモア

     母親の死、経済的困窮というヘビーな背景がありながらも、物語を決して暗くさせない家族の絆があります。
    シリアスな空気を見事にぶち壊す父親と、それにケラケラと笑うチョウの姿に、笑顔になって頂けると嬉しいです。



    【登場人物紹介】


    ユル(6歳)

     本作の主人公。
    小学校に上がったばかりだが、母親を亡くしてから家族のバランスを大人のように見守っている。
    観察眼が鋭く、新しくやってきたチョウを優しく、かつ機転を利かせて守ろうとする頼もしい少年。


     ​チョウ(3歳)

    西北のタルグス氏族圏からバータルに連れられてきた男の子。
    パンデミックで両親を亡くしたショックからか、言葉がうまく出ず「ん」としか喋れない。
    絹のような茶髪と、地球のように青く不思議な輝きを湛えた瞳を持つ。


    エイコ(9歳)

    ユルの姉。
    亡き母に代わって帳簿をつけ、家事を悪戦苦闘しながらこなしている。
    突然連れてこられたチョウに対して最初は激しく憤るが、それは家族の困窮と母親への切ない慕情ゆえ。本当は情の深い少女。


     ​バータル

    ユルとエイコの父親。
    鷹匠でありガイド業を営む山のような大男。
    口下手で言葉が足りなすぎるため誤解を招きやすいが、親友の遺児であるチョウを放っておけず、遥か遠方から抱きしめて連れ帰ってきた熱い情義を持つ。
    屁が地獄のように臭い。


    オユンばあちゃん

    家族を静かに支えるおばあちゃん。
    消毒スプレーを手に、言葉数は少なくも、傷ついた者たちを温かいミルクティーと手洗いの湯で迎え入れる、ゲルの絶対的な守護神。 


     ※画像は自作の仮の画像です。
    チョウ16歳版を以前描いたもの。
    ポストカードなど持っていくかも…? ​

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