「僕」は、高校卒業後に何もせず、精神疾患を抱えながら、仙台のボロアパートで孤独な生活を送っている。幼少期に父のDVにより両親は離婚、経済的にも精神的にも不安定な家庭環境の中で育った。ある日、睡眠薬を用いて自殺未遂を起こし、山奥の療養院で数ヶ月を過ごす。その療養生活の中で偶然出会った詩集に魅了され、詩作を始める。やがて詩作だけが唯一の拠り所となるが、詩を書けない日々には深い虚無感に苛まれる。詩人でありたいという願いと、自身の才能に対する疑念とのあいだで煩悶しながら、日常は煙草と酒と薬に溺れていく。ある日、バーで一人の女性と出会うが、関係はうまくいかなかった。生活は次第に荒れ果て、感情も思考も鈍麻していく中で、「僕」は父の金銭的援助と障害者制度の紹介を受けながらも、社会との関わりを拒み続ける。そしてついには完全に詩を書けなくなり、遺書を書いて本当の自殺を図ろうと試みたが、その遺書が詩のような体裁をしていて、「僕」はまたも死に切れなかったのだった。
こちらのブースもいかがですか? (β)
新生ミステリ研究会 いちばんよみやすい遠野物語 猫猫堂 アジフライ帝国 HHブックス(翻訳百景) 日本現代詩歌文学館 マタギの宿ORIYAMAKE 丸大商店 葉々社 こたつや