テンセン タメンタイギャラリー鶴見町ラボ記録集 vol.1
- う-35 (評論・研究|美術)
- てんせん ためんたいぎゃらりーつるみちょうらぼきろくしゅう vol.1
- 山本 功(編)
- 書籍|A5
- 90ページ
- 1,500円
- 2022/11/13(日)発行
- 2021年12月にオープンしたアートスペース「タメンタイギャラリー鶴見町ラボ」の立ち上げから半年間の記録をまとめたドキュメント。
DIYで集合住宅の一室をリノベーションしギャラリーをオープンさせるまでの記録と、6つの展示企画についてのテキストと写真、そしてアートマネジメントの立場から展示を運営していくにあたって考え、悩んでいることをしたためた編者のエッセイも収載した。目次
- はじめに
- タメンタイギャラリー鶴見町ラボができるまで
- 展示企画レビュー
- 富谷真美「広島遠いなあ、鶴見町どこ」
- [テキスト] 重永瞬「場所の原初的経験、あるいは地名からの逃避について」
- 友枝望・札本彩子・加藤和也+ 祐源紘史 "in/visible"
- [テキスト] 山本功「態度が姿をあらわすとき」
- [テキスト] 祐源紘史「『in/visible』 展によせて」
- 美音異星人「タメンタイでお邪魔します by Bion Mask Girl」
- [テキスト] 「『タメンタイでお邪魔します』から始まるこの場所固有の美術史
- [コラム] 山本功「いい展示とはなんだろう」
- [テキスト] 「『タメンタイでお邪魔します』から始まるこの場所固有の美術史
- 古川諒子・山口達典 "Inch by Inch"
- [テキスト] 山本功「ひとあしひとあしを振り返る」
- [コラム] 山本功「展示企画の広報について──できるだけたくさんの人に見に来てほしい、けれどこっそりやっていたい気持ちとのはざまで」
- [テキスト] 山本功「ひとあしひとあしを振り返る」
- 山下栞「美術をもう一度好きになるための予行演習」
- [テキスト] 森脇咲子「山下栞を『予行演習』に駆り立たせたものは何か」
- [テキスト] 山本功「私と制度の間で美術を好きでいるために」
- [テキスト] 森脇咲子「山下栞を『予行演習』に駆り立たせたものは何か」
- 有田大貴 "Colors in the Gray"
- [テキスト] 山本功「美術と即応性」
- 富谷真美「広島遠いなあ、鶴見町どこ」
- おわりに
「はじめに」
この小冊子は2021年末にオープンしたタメンタイギャラリー鶴見町ラボの立ち上げと最初の半年間の展示記録をまとめたものである。初号となる本誌では、新たなアートスペースの立ち上げにいたるまでの生の情報と、そこで生み出されていった価値の双方を記録にとどめておくことを第一の目的として制作した。実験的、挑戦的な展示企画を開催するスペースとして、作品発表自体と同等に重要なことと位置づけられる実験以前のプランニングと以後の振り返りを担うものである。加えて、アートマネジメントの立場から展示を運営していくにあたって考え、悩んでいることをありのままにしたためた編者のエッセイも収載した。
山本 功
少し前までであればSNSにでもアップして溜飲を下げていたことなのだが、どうにも広がりすぎてしまうことに疲れてしまった。思いの丈は限られた読者にだけ届くほうがいい。
そもそもタメンタイギャラリーという名前は、一面的でない美術の価値をそのままに見せていくギャラリーとして、多面的な統合体を目指そうと名付けたものである。目に見える作品の背後には、人間であるアーティストがいて、作品はその織りなす価値の「表面」だと思っている。展示として発表されるに至るまでに捨象された「点」や「線」もあわせて紹介することで、見えてくる価値がきっとある。そんな思いを込めて、この定期的に刊行していく予定の冊子を「テンセン」と名付けた。断片的な積み重ねが、いずれ価値の総体を大きくしていく──そんな美術の価値創造の過程に立ち会うことは特権的なものではなく、もう少し開かれたものであっても良いはずだ。読者にはぜひとも価値の萌芽の目撃者となっていただきたい。
2022年11月
--編者プロフィール
山本 功 / Yamamoto Isao
1992 年広島生まれ。広島市立舟入高等学校国際コミュニケーションコース、京都大学文学部卒業。専攻は人文地理学。 ベネッセアートサイト直島を運営する公益財団法人福武財団にて直島コメづくりプロジェクトを担当後、地元広島に拠点を移し、瀬戸内地域で活動する若手アーティストの活動を紹介する活動を2018 年より始動し、アートマネジメント、調査事業等を手掛けている。2021 年12月より自社施設「タメンタイギャラリー鶴見町ラボ」を運営。 タメンタイ合同会社代表社員、アートマネージャー。
