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伝説がたり 【文フリ広島初頒布】

  • い-01〜02 (小説|ファンタジー・幻想文学)→配置図(eventmesh)
  • でんせつがたり
  • 野間みつね
  • 書籍|A5
  • 136ページ
  • 500円
  • https://mitsune.jp/Epub/bibi/…
  • 2022/7/23(土)発行

  • アップルパイ食いながら頼む話じゃないだろ、ったく。


     超絶的な超能力者サイオニック“クレイン”こと頼山紀博よりやまのりひろの許に、わざわざ郵送で届けられた招待状。奇妙な差出人、そして、開いてみると怪しさ満載。一体何故こんなものが送られてきたというのか、敢えて応じてみるべきか、と思ってしまった時点で、既に自分は奴らの思惑に嵌まっているに違いない……

     野間みつねが中学~高校時代に書き散らしていた『レジェンダリィ・クレイン』──未来世界で生きる超絶超能力者クレインこと頼山紀博青年が主人公のシリーズ、オフセットでは初の短編集。新作・再録交えて14本を収録。

     === 以下抜粋 ===

     極めて真顔での申し出に、紀博は閉口気味のつぶやきを洩らした。ジンジャー星でのように問答無用で実験に引っ張り込まれそうになったのであれば怒って撥ね付けているところだが、今回は、曲がりなりにも段階を踏んでの、しかも被験者として謝礼を出そうという、ごくとうな形式にのっとった依頼である。
    (この程度で“無下むげには断われない”って気分になる辺り、俺は多分、人が過ぎるんだろうなあ……)
     ただ――紀博は更に考える――新たな抗サイオニック装置を世の中に出てくる前に体験しておけるというのは、自分にとっても然程に悪い話ではない。何故なぜなら、かつてジンジャー星で嫌と言うほど抗サイオニック装置を体験させられた“おかげ”で、世に普及し始めたそれらの装置に必要以上に悩まされずに済んでいたからである。
    「……まあいいか、丁度、地球こっちに来る前に短期仕事の契約が切れて無職になってるし」
     軽く肩を竦めた紀博は、「但し」と続けた。
    「今すぐに、ってのは無理だ。今日きょう明日あすの内に火星へ戻るつもりだったから、長期不在への備えが出来てない。家賃の前納ぜんのうとかライフラインの一時停止手続とか済ませたいから、一週間程度の時間を呉れ」
    「では、連絡先アドレスを交換させてもらえるかな?」
    「俺はいいけど、そっちは困るぞ、多分」
     紀博が使用しているのは、無料フリーメールサービスで取得したアドレスである。前々から持っていた“Crane-Road”アドレスが銀河連邦軍情報局の監視対象になってしまった為、ジンジャー星での諸々もろもろが片付いてから別名義のアドレスも増やしたのだが、恐らくそちらも、情報局にはそろそろ把握されている頃だろう。
    「俺とのメールのり取りは、情報局に筒抜けになる」
    「そんなことは織り込み済みだよ」
     ルーク博士は微苦笑を浮かべると、アップルパイの最後の一片を行儀良く口に運んだ。

         ───「最初の接触ファースト・コンタクト」より

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