こちらのアイテムは2022/4/17(日)開催・第四回文学フリマ広島にて入手できます。
くわしくは第四回文学フリマ広島公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

新世界を抱く

  • い-05 (小説|SF)
  • しんせかいをいだく
  • 国内産黒米
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 138ページ
  • 700円
  • 2022/04/17(日)発行
  • まっくらな世界。
    ただひとり、白髪の少年が目を覚ます・・・・・・。
    不思議な出会いを繰り返したどり着く、くらやみの先のアドベンチャー。
    数々の物語の中を進む彼らの終着点とは・・・・・・?
    (赤ずきん、シンデレラ、シンドバッドの冒険、銀河鉄道の夜、ハテラス船長の航海と冒険などの文学作品を巡ります)

    文学フリマのための書き下ろしです。

    -サンプル-

    はじまりのくらやみ
     誰かの啜り泣く声が聞こえた。  くらやみに一人、少年が目を覚ます。鈴の音のように透き通る蒼い瞳と、晴天に浮かぶ雲の如き白い髪。黒いシャツの上から髪と同じ白の、袖が広がる上着を着た少年は宇宙の黒に丸まっていた。  
     少年が腕を伸ばし、あくびを一つすると世界も時を刻み始めた。くらやみにも空気はある。風が、呼吸のようにゆっくりと吹き始めたのだ。黒い大地は広がり、黒い空は大地を包み込む。  
     黒く塗られた世界の一筋の光である白髪の少年は辺りを見回し、何かを呼ぼうとした。しかし、声はくらやみに紛れ、ついには粉々に砕け散ってしまう。  
     少年は、声もなく泣き叫んだ。
     
     どれだけ叫んだだろう。くらやみに、ぼんやりと形ができていく。それは宙に浮かんでただただ存在していた。目を凝らすと、白と黒のふわふわとした毛並みに、小さな翠の一本角、茶色の麿眉の下に赤い瞳を持つ小型の生き物になった。  
     その生き物は舌を一センチほど口から垂らすと、にっこりと笑う。 
    「わあ、キミぼくが見えるの?」

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