ある歴史モデル
- J-29 (小説|海外文学・翻訳)
- あるれきしもでる
- 加藤一輝
- 書籍|文庫判(A6)
- 112ページ
- 1,000円
- https://note.com/catotriptyqu…
- 2025/10/5(日)発行
- 『文体練習』『地下鉄のザジ』『ヒルベルトの文学基礎論』など実験的作風で知られるレーモン・クノー(1903-1976)が、ナチス・ドイツ占領下のフランスで歴史観を綴った奇妙な掌編『ある歴史モデル』の全訳です。1942年に構想され、短かい断章形式で96章まで書かれたところで中断、その後1966年に未完のまま簡単な著者解題を附して出版されました。
(原典:Raymond Queneau, Une histoire modèle, Gallimard, 1966)
世界大戦の只中にいたクノーは、歴史とは人間の不幸の繰り返しであると考え、周期性を見出して数理モデルのように記述しようと試みます。そのため本書は、数式めいたものの混じった特異な文体となっていますが、結局うまく行かず、草稿のまま長らく放棄されていました。本書の執筆から刊行まで四半世紀の間に、むしろ創作で歴史観を表現すべく、さまざまな作品が著わされます。とくに小説『青い花』(1965)が本書と対になっている、とクノー自身が解題で述べています。
